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IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」

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「本書はどういう本?」と聞かれたら、私だったらこう答えます。

勉強ってそもそも何なのかを考えるための本。

私は2年ぐらい前からコミュニティや勉強会へ積極的に参加するようになりました。もともとの目的は技術的な優位性を持つことでお仕事でイニシアティブが取れたり、自信が持てると良いなといったところでした。でも今は、もちろん、それもあるけれど、少し様相が変わってきています。

本書では勉強法として、無理なく勉強が継続できる直接的なテクニックを紹介しながら、その背景で IT 業界に入って経験の浅い新人さんが身につけると良い「お仕事のいろは」であったり、IT 業界に起こっている「勉強会ブーム」なるものの正体、自己啓発を行うためのモチベーションコントロールについて、著者の実体験から紹介されています。勉強法は手段であって「その勉強、何の意味があるの?」ということに自分で答えられないと、その先の未来へ繋がっていかないよと教えてくれているように私は受け取りました。

なぜ勉強が必要なのか?
...
スキルアップと収入アップ、仕事の維持など、切実な思いを持って勉強をしている人の声も多く聞かれました。IT 業界に限らず世の中はどんどん変化しています。もはや会社にレールを敷いてもらうのを期待できない時代です。
...

本書での問いかけです。私も同じような思いから勉強を始めました。が、今はちょっと違います。

勉強は自身の成長を自分で実感するための最も簡単で効率的な手段で、
それが自分の幸せ感へつながる。

これが今の私の勉強の目的です。当たり前ですが、やっぱり勉強そのものも手段でした。本書で提唱されている「つまみぐい勉強法」の3つの価値のうちの1つである

対象は変わっても、勉強自体は続ける

と勉強が目的であるかのように書かれているのは、その先にある何かを得るために勉強を継続していないと始まらないということを伝えています。「自分の未来のために勉強しなさい」と一言伝えて、後は自己責任だから知らないよで終わらせるのではなく、本書では勉強を継続するためにこんなテクニックがあるよと親切に教えてくれます。大事なことは継続することなので、勉強が目的になっても継続できるならそれで良いと思います。私がブログを書いているのも目的と手段をすり替えていることがよくあります。

おそらく長くコミュニティや勉強会に関わっている人は本質的にそういったことを実感しているのだと私は思います。本書で紹介されている勉強法座談会で「勉強しない人はダメ」「技術力が低いエンジニアはダメ」といった押しつけがましい議論は行われていません。「どうすれば良さが伝わるか」「どうすれば価値が高まるか」といった自分たちは何が出来るだろうという議論に主眼が置かれています。座談会に出席されている方々それぞれの幸せが勉強会の活動の中に見出せていて、純粋にそれを広く伝えたいということが伺えます。

本書には勉強に関する多くの話題があります。どの項目が有益かは個々人の経験によるものだと思います。私が興味深かった内容を3つ挙げてみます。

  • 勉強会10のメリット -ファミリーを作る-
  • 勉強会10のメリット -高い目標を発見する-
  • 自分が上という意識を捨てる
勉強会10のメリット -ファミリーを作る-

この「ファミリー」という表現は斬新ですね。コミュニティよりもさらに深い人間関係で付き合う組織、あるいは友だちや仲間を表しています。勉強会で一番大切なのはこれだと言及しています。会社や家族に自分の価値観を押し付けるわけにはいかないので、自分が楽しめるコミュニティに参加して、その場を仲間たちと守っていくという考え方は、もはや「ファミリー」なんだなとしみじみ思いました。何だかちょっとマフィアみたいですね(^ ^;;

勉強会10のメリット -高い目標を発見する-

これも私にとっての勉強会へ参加する大きな動機の1つでした。「人間はイメージ以上には成長しない」と何かのセミナーで聞いたことがあります。会社の中で目標となるエンジニアを身の回りで見つけられる人は幸せでしょう。そうでなかった場合、転属や転職するしかないというのは現実としてリスクが高いです。勉強会へ行くと、高い技術力を持った人、高い志を持った人、高い実践力を持った人、色んな高い目標になる人がいます。きっと自分にとってのメンターになる人やお手本にしたい人が見つかると思います。どんな業界、職種でも同じだと思いますが、技術力がとんでもなく高いというのはそれだけで「カリスマ」だと私は思います。そんな人に憧れてモチベーションを維持するのも、最初のきっかけとしては良いと思います。

自分が上という意識を捨てる

簡単なようでなかなかできないのが「年下に教わる」ことです。
...
古くからある儒教的な社会的慣習からか、
この上下関係を崩すのに抵抗を覚える人は多いです。

これは私自身もそうですが、30歳を超えたあたりから常に意識するようになりました。若いときに「こーであーでこれが分かりません」と同僚や先輩へ「分かりません」と言う習慣が身に付いていない人は相当に危険です。年齢を重ねるごとに「分かりません」という言葉が言えるかどうかがお仕事では重要だと私は思います。「分からない」ことが恥だったり、プライドに関わることだと勝手に勘違いしている人がいますが、周りの人は「分からない」ことにそれほどの意味を持っていないと思います。
さらにもっと私が注意していることは「自分が間違っていた」と非を認めることです。新しいことを勉強している途中で勘違いしたり、誤解したりすることはよくあります。感情的な議論になったとしても、後でそれが分かったときに「ごめんなさい」と言うのは意識していないと段々できなくなる気がします。

他にもたくさん興味深い内容があります。本書の良いところを紹介しようとしたらこうなりました(全部紹介すると長くなるので3つに絞りました)。IT 業界は、個人が社会へ貢献し易いとても可能性のある業界です。本書はそんな雰囲気が良く伝わってくる楽しい本です。

Photomemo
良い本を紹介しようと思ったら付箋だらけ
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リファレンス:
Shibu's Diary: ぼちぼち『IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」』が本屋に並びはじめます。
http://ameblo.jp/beproud-inc/entry-10526942799.html
勝間さん対談の睡眠不足の反省と、幸福論 : ひろゆき@オープンSNS

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