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開発者としての未来の自分へ

philosophy

私は飽きっぽい性格なので、変わることそのものへの抵抗は少ないです。自分の知らないモノがあったら、取りあえず触ってみようとするし、それが旧来より良いモノであれば採用します。もともとそういう性格なので、変化の激しい IT 業界にいても苦にならないし、むしろおもしろいと思っていたりもします。

前置きが長くなってしまいました。最近は、職場の同僚と開発方法論というか、いまどきの開発ってこのぐらい当たり前ですよね?という感覚が通じなくて悩んだり、へこんだりする機会が多くなってきました。

1つの例として、職場ではバグトラッキングシステムをいま正に導入しようとしています。これまで会社としてバグトラッキングシステムを利用していませんでした(私は自分の担当プロジェクトで勝手に採用していました)。ある時、社長が社内インフラとしてバグトラッキングシステムを導入してはどうかと呼びかけたときのある開発者の回答はこうでした。

バグトラッキングシステムの導入は逆に負担になります。あるユーザのみに個別対応したときの管理コスト、そういった個別対応をすることを他のユーザへ説明するコスト等が増えるものだと考えています。

この回答は意味が分からないな、と内心私は思っていましたが、分からない人には分からないのだろうとそのままスルーしていました。その数ヶ月後、会社が wikipedia:ISO9001 を取得することになり、組織体制の変更や開発業務フローの策定にあたり、バグトラッキングシステムが正式に社内インフラとして導入されることが決定しました。

その導入の担当者の通達は驚くものでした。

ユーザから届いた不具合や機能拡張、社内で発見した課題等は全てバグトラッキングシステムに登録することを徹底します。いきなり登録するのは難しいと思うので、まずは開発者の皆さん、個々にそういった課題を抱え込まず、メーリングリストで共有しましょう。何かあったら何でもメールに詳細を書いて送り、バグトラッキングシステムに登録漏れがおこらないようにメールに残すようにしましょう。また、その課題をバグトラッキングシステムに登録する必要があるのかどうかをメールで議論しましょう。

・・・。

普段はスルーするのですが、ちょっとだけ意見を言いました。

メールを書くなら最初からバグトラッキングシステムに登録すれば良いのでは?
対応の要否はバグトラッキングシステム上で議論すれば良いのでは?
メールの内容を誰がバグトラッキングシステムに登録するのでしょうか?

回答はこんな感じでした。

君は慣れているから良いけれど、全く使ったことがない開発者もいるし、少しずつ移行するように業務変更のハードルを下げようと考えています。君の意見はまた検討します。

分からなくもないけど、何のためにバグトラッキングシステムを導入するのか、その目的が理解できていない気がしました。この通達の発信者は50歳後半の年配の開発者で、社内には40歳前後の開発者が多いです。変化を嫌う人にとって業務の変更に対する抵抗勢力は根強いものがあったりします。ある一部の抵抗勢力のために、こんな遠回しの普通に使うよりも非効率な運用を提案していることも実際、私も分かってはいました。

ある打ち合わせの席でこんなことを言っていたのを聞いたことがあります。

ユーザからサポートの問い合わせがきたとき、それが過去のどの修正に起因する問題なのか、また緊急で個別対応したものか、過去の経緯をメールの中から探すのは本当に大変なんだよね(笑)。

私は悲嘆しながら内心はこう思っています。

それよそれ!それがバグトラッキングシステムを導入する目的なんだよ!

閑話休題。これは、今の私がバグトラッキングシステムというツールに対して何の抵抗もないから「当たり前」のように書いていますが、20年後の自分が、その時の、つまり20年後の未来の、先進的でもない普通の開発ツールを使いこなせない日がやってくるのかもしれないと不安に思ってしまった事件でした。私自身、勉強会等へ行って、アジャイル開発とか、ビルド自動化ツールとか、テスト駆動開発とか、これまでの私が行ってこなかった開発に良さそうなモノをどんどん取り入れようとしていますが、きっとそれが当たり前の開発者から見たら、私が取り入れようと四苦八苦している様も同じような感じに見えるのかもしれません。

開発で置いてけぼりにならないように勉強の継続が重要ですが、自分が50歳になったときに20歳台の若い開発者が行っている開発ツールや方法論が理解できなくて、数倍も数十倍も生産性が違っていたら、そのときの自分はどう感じるのだろうか。そうならない未来を創るための、自分への戒めのためにこのブログを残しておくことにしよう。

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