最近の Python パッケージは、Sphinx でドキュメントが書かれていることが多いです。
Sphinx でドキュメントが書かれているなら、そのパッケージのソースをクローンしてきて、ローカルでドキュメントをビルドするのも簡単です。私の場合、そのときの開発に用いるフレームワーク・ライブラリ・ツール等は、リポジトリからソースをクローンしてきて、最新版ソースを開発環境へインストールして、自分のアプリケーションを開発する上でデバッグしやすい環境を構築しています。また、そのドキュメントもローカルでビルドしています。
例えば、Kotti と Pyramid のフレームワークのドキュメントをローカルでビルドしてみます。
$ cd /path/to/Kotti/ $ python setup.py build_sphinx $ cd /path/to/pyramid/docs/ $ make html
このとき、前者は Kotti/build/sphinx/html/ に、後者は pyramid/docs/_build/html/ に HTML ドキュメントが生成されます。
ローカルで HTML ドキュメントを参照する際に Sphinx の検索機能を使いたいので HTTP サーバーを介して参照できると便利です。とはいえ、そのためにわざわざ HTTP サーバーを設定・構築するのもちょっと面倒です。前置きが長くなりました、そんな用途に「ちょっとだけ」便利な HTTP サーバーを作ってみました。
その名の表す通り、標準ライブラリの SimpleHTTPServer をちょっとだけカスタマイズしたものです。
先ず SimpleHTTPServer を使って、複数のドキュメントを見ようとすると次のようになります。
$ cd /path/to/Kotti/build/sphinx/html/ $ python -m SimpleHTTPServer 8001 Serving HTTP on 0.0.0.0 port 8001 ... $ cd /path/to/pyramid/docs/_build/html/ $ python -m SimpleHTTPServer 8002 Serving HTTP on 0.0.0.0 port 8002 ...
SimpleHTTPServer は、カレントディレクトリ配下のみを公開ディレクトリとして扱います。2-3のドキュメントならこれでも良いですが、10個のドキュメントをこの方法で見ようとすると、コマンドラインでサーバー起動するのが面倒だったり、どのドキュメントがどのポート番号か分からなくなったりします。
この煩わしさを解決するのが LittleHTTPServer です。次のようにコマンドラインオプションで指定します。
$ littlehttpserver -p 8003 -d /path/to/pyramid/docs/_build/html/ -d /path/to/Kotti/build/sphinx/html/ INFO: Serving HTTP/1.0 on 0.0.0.0, port: 8003 ...
http://localhost:8003 へアクセスすると、次のように表示されます。
これならローカルで見たいドキュメントが複数になっても煩わしくないですね。
2012/8/22 追記
コメントをもらったので -m オプションで実行できるように修正して再リリースしました。
$ python -m littlehttpserver -i path/to/top -d path/to/pkg1