中日ドラゴンズ論

http://ameblo.jp/beproud-inc/entry-10748515926.htmlhttp://ameblo.jp/beproud-inc/entry-10748552752.html でおもしろく書評を読ませて頂いた翌日に、たまたま書店で小一時間潰す間があり、そのときに目に入り、読み始めたらおもしろくてそのまま購入してしまいました。

2000年以降はほとんどプロ野球を見ていませんが(そもそもテレビがない)、1990年代はよく見ていました。著者の今中慎二氏の全盛期をテレビで見ていた野球ファンとして懐かしくもありました。中日ドラゴンズは毎年強いというイメージがあります。そのはずで9年連続Aクラスにいる理由が、夏場にピークを持って行く戦略のユニークさや、プロとして当たり前にやることの重要性、練習に裏付けられた自信など、とても説得力のある内容でした。

普段の自分の生活を鑑みて当たり前のことを当たり前にやっているか、全然そうじゃないなと反省する気持ちになりました。

やっぱり恐い星野監督

私にとって一番興味深かったのは星野監督の恐さが書かれた章や伝統として先輩が後輩を指導する内容が書かれた章でした。

私は高校まで野球をやっていました。野球部の監督というのは得てして恐いです、、、怒声、張り手もつきものでした。今でこそ、暴力事件とか問題になるようですが、十数年前は別に問題ではありませんでした。そして監督も恐いけれど、また違った意味で先輩も恐ろしい存在でした。監督がいない練習中に声が出てないと、バットを持った先輩が同級生を次々と、、、

おっと話が大きくずれかけました(- -#

本書を読んで、大半の選手が星野監督が恐くて恐くて叱られないように緊張感を持って行動していたことが分かります。もちろん、その次の段階は自分で考えることが重要だと分かり、選手たちが自主的に行動するお話へ展開されます。私はあまりこういうお話が好きではありません。正しい正しくないのお話ではなく好きではないのです。

以前、あるセミナーの講師が仰っていた言葉が好きです。

大人にものを教えるのに叱る必要はない。

叱られても叱られてもその次のレベルへ進めるのは、叱られ耐性に強い精神力を持った人のみだと思います。業界や業種にも依るでしょうが、叱られ耐性に強い精神力を持った人のみが認められるというのは、私のような、そうではない人から見るとやっぱり辛いものがあります。もちろんプロ野球のような、勝負ごとに負けん気の強さも重要でしょうから、そういった精神力も資質として必要なのかもしれません。

叱られてまず考えることは「叱られないようにする」ことだと思います。その叱られた問題の解決方法が単純であればあるほど、叱る効果も高いことは分かります。しかし、それが複雑な問題だと本質的な問題の解決から遠ざかる可能性があります。そのリスクを指導者が全て負えるかというと、指導者も強いプレッシャーに苛まれそうな気がします。何だかみんな幸せじゃなさそうで、私はあまり好きではないです。

しかし、新卒で入社した会社のことを思い返してみました。とにかく上司、先輩が恐かったです。当時の私が問題の本質を追求していたとは思えませんが、今よりは目の前のことに対してひた向きさと緊張感を持って行動していた気がします。

自分の行動を自分で律するというのは、叱られないと継続しなくなってしまうぐらい難しいことかもしれないと本書を読んで考えさせられました。

中日ドラゴンズ論 (ベスト新書)

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