できる 仕事がはかどるPython自動処理 全部入り。の第4刷が決定しました

昨年、ビジネスパーソン向けの Python 本を執筆したことを書きました。

t2y.hatenablog.jp

おかげさまでまだ売れ行きは好調なようです。本書を購入していただいた方々、ありがとうございます。

このたび、第4刷の重版が決定しました。

【第4刷】3月16日(月)重版出来

book.impress.co.jp

Chapter 10 「065 Web ページを Selenium で操作する」の修正について

第4刷で本節の一部のコードが修正されます。 Selenium という Web ブラウザを操作するライブラリの使い方を紹介している節です。

これまでは Yahoo! JAPAN のトップページを題材として Selenium の操作を説明していました。

PC 版 Yahoo! JAPAN のトップページを 2019 年 10 月 1 日に刷新、 ... (中略) ... Yahoo! JAPAN トップページは 2008 年 1 月 1 日に大規模なリニューアルを行いました。その頃からある程度の改修はあったものの、基本的にはコードの継ぎ足しで修正を加えている状態でした。

techblog.yahoo.co.jp

なんと11年間変わらなかったトップページが2019年10月1日に大きな改善が入り、トップページの HTML の構造が変わってしまい、本書で説明している方法では動作しなくなってしまいました。

そこで第4刷では次のように Wikipedia のトップページに対して同じ操作を行うように変更しています。 申し訳ありませんが、第1-3刷を購入された方は次の内容に読み替えて Selenium の操作を確認してください。

変更した内容

まず、Wikipediaトップページの URLを指定してブラウザに表示させます。get()というメソッドを使います。

>>> driver.get("https://ja.wikipedia.org/")

f:id:t2y-1979:20200229144421p:plain

検索語として「Python」と入力します。検索ボックスには searchInput というid属性が付与されているのでCSSセレクターで指定して、send_keys()でキー入力を送信します。

>>> driver.find_element_by_css_selector("#searchInput").send_keys("Python")

f:id:t2y-1979:20200229144504p:plain

検索候補ウィンドウの検索ボタンにはid属性 searchButton が付与されているので、同様にCSSセレクターで指定して、click()でクリックします。

>>> driver.find_element_by_css_selector("#searchButton").click()

続けて、ブラウザの「戻る」を行ってWikipediaのトップページに戻ったあとに、"ログイン"というリンクを開いてみましょう。

>>> driver.back()
>>> driver.find_element_by_link_text("ログイン").click()

ビジネスPythonを学ぶ会の活動と slack の紹介

本書の読者サポートも兼ねて私が神戸で運営しているコミュニティがあります。 このコミュニティは難しいことを扱うわけではなく、またすぐに業務で役に立たないかもしれませんが、コミュニティとして長く続けられることだけを目標にしています。Python で困ったときに気軽に相談できる場になればいいなと思います。

bizpy.connpass.com

本書の対象読者と同様、Python 入門を終えたばかり初学者、さらに IT エンジニアではない次の方々を対象としています。

いまのところ、月1回の勉強会を開くことを予定しています。地理的に参加できない方もいるでしょうからオンラインでのコミュニケーションが取れるように bizpy.slack.com を開設しています。興味のある方はこちらの 招待リンク からご参加ください。

いまは Excel ファイルを操作する openpyxl ライブラリの操作について取り上げています。そうすると、プログラマーではないけれど、企業でデータ分析の実務を行っている方々が参加してくれます。参加者の実際の実務で行っている内容をみんなで共有したり、参加者が書いたコードをもとにレビューしたり、私が開発やデバッグに役立つ手法を紹介したりといった、そういうゆるい感じの勉強会をしています。

今後も勉強会や読者サポートの過程でお伺いした内容や気づきを留めていき、いつか本書を改訂できる機会ができたときに活かせるように努めていきたいと思います。

まとめ

本書の出版を契機にして、これまで私が接点のなかった方々と Python プログラミングを通してお話する機会が増えました。

私自身、プログラマーとして10年以上働いてきて、ちょうどいまキャリアの棚卸しをしている時期です。今後は培ってきたプログラミングのスキルを活かして世の中の役に立つプロダクトやビジネスを創造することにも挑戦していきたいと考えています。ビジネスパーソンの方々が普段行っている業務や課題意識を知る機会があることは、私にとっては新鮮で興味深いものです。

またプログラミングできる人が増えること自体もいまの世の中にとっては良いことだろうと私は考えています。

リファレンス

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